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極性の高いイオン性物質はODSのような疎水性を利用する逆相カラムでは保持が困難です。この場合は物質のイオン性を利用するイオン交換クロマトグラフィーが有効です。
イオン交換クロマトグラフィーは、化学結合のうちの「イオン結合」という強い相互作用を利用する物質分離方法です。
上図のようにたとえばカチオン性物質の場合、まずアニオン固定相にイオン的に完全吸着させます。このとき移動相には溶質が固定相に吸着できるような低イオン強度の水溶液が用いられます。溶質-固定相間には(+)(-)のイオン結合がはたらいています。
イオン結合を形成している溶質-固定相間の結合を切断するにはグラジエント溶出法を用いて移動相中の塩濃度(イオン強度)を上昇させます。移動相中のイオンが溶質や固定相にそれぞれイオン結合する結果、溶質は固定相から離れていきます。このは離れ方は溶質イオンの強さによって異なるため、一般に弱いイオンのほうが強いイオンよりも早く溶出することにより分離が可能となります。
イオン交換クロマトグラフィーに用いるイオンリガンドと溶質の間にはイオン結合という強い相互作用がはたらきます。したがって疎水性のような弱い相互作用に基づく「アイソクラティック」溶出は極めて困難です。「吸着」「脱着」という状態の変化を可能にするグラジエント溶出が不可欠です。アイソクラティック溶出では溶質や固定相移動相中のわずかなイオン量の変化が保持に大きな影響を与えるために再現性が得にくいためです。
グラジエント溶出の方法は一般的にはイオン強度を上げて溶出させますが、pHを変化させて固定相や溶質の解離状態を変化させる方法も併用できます。またイオン結合が強すぎてイオン強度だけでは溶出できない場合にも解離状態を変化させることが有効になる場合があります。
低分子化合物用イオン交換カラムとしてインタクトには以下の製品がありますが、分離選択性向上などのためにイオン交換モードに加えて順相モードも併用することが一般的です。
Nardis ND-NX
Unison UK-Amino
Unison UK-Silica
またイオン交換モードと逆相モードを組み合わせたカラムとして以下の製品が挙げられます。
Nardis ND-RX
Scherzo SS-C18, SM-C18, SW-C18
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