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YAZAWA HPLC COLUMN SCHOOL

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カラムが枯れた / カラム内が乾燥した


HPLCの終夜運転で,朝来てみたら移動相が空になっていた。カラムが枯れたのではないか,という心配がありますが通常は大丈夫です。
移動相リザーバーが空になりポンプヘッド内に空気が入ると,プランジャーが空気を押し出すことができずに空回りし,移動相もカラム前で動かなくなります。
つまり移動相がなくなっても直ちにカラムが乾燥することはありません。
流路の空気を除去するには,カラムをはずしてラインを直結して移動相をパージすれば解決できます。

では,カラムが乾燥することはないのでしょうか?

シリカ系HPLCカラムの両端に「密栓(End-Plug)」がなかったり,締めが甘かったりする場合はカラム内が乾燥します。
カラム内が乾燥すると充てん剤粒子がカラム内で収縮して充てん状態が変化し,カラムの劣化につながる恐れがあります。

通常はカラム交換することが望ましいことですが,以下の方法により回復できる場合があります。

・アセトニトリルを10分ほど通液し,その後移動相に置換して分析してみる

分析結果が良好ならカラムが回復したと判断できます。
ピーク割れやブロードなピークの場合は「回復できなかった」と判断されます。この場合は新品カラムに交換するしかありません。

カラムを保管する際には密栓が不可欠です。

WF29 / 矢澤  到 [YAZAWA Itaru, hplc@imtakt.com]