カラムのコラム (Columns for Columns)

 

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カラムと生物 (その1)

2001/08/01

 

家庭用ゲームソフト業界で老舗のハドソンが,同業者のコナミと提携し,事実上傘下に入ることが最近報道されました。メインバンクが破綻した影響を受けてのことのようです。
筆者の記憶では,ハドソンは80年代前半に「HuBASIC」なるBASICインタープリタや,「HuWORD」というDOS用のワープロソフトも手がけていた,たいへん技術力と影響力のある会社でした。その後数多くの人気ゲームソフトを提供し続けてきましたが,アスキーや管理工研と同じように業界の有名企業がいつまでも頂点でいられなくなるのも,時代の流れとしかいいようがありません。

「一企業(あるいは一事業)30年」といわれることがあります。どのような業界でも30年も経つと,ビジネス展開が硬直化し,市場の変化に対応していく柔軟性が失われるためと考えられます。時代は刻々と変化しており,ビジネスもこれに対応するために変革しなければならず,常に成長を求められる企業の宿命と,時代の新しい要求との狭間で苦労するわけです。この意味で「企業は生き物」だと感じます。どんなに大ヒット商品であっても,いつかは振り向かれなくなり,その生涯を終える。企業(事業)の30年というライフは,生物の一生と同じように変化に富んだ「生命活動」と感じられるのです。
カラムビジネスもまさに生きています。業界の歴史を踏まえ,未来のニーズを予測し,的確な技術に裏付けられた製品を提供し続けていかなければならない宿命は,ソフト業界と何ら変わらないと思います。

ところで,カラムメーカーが他の業界と異なることがひとつあります。それは,いったん仕様を確定したカラムはニーズがある限り同じ品質の製品を何十年も提供し続けなければならないことです。家電業界やPC業界,自動車業界のように,新製品を毎年のように発売してモデルチェンジを繰り返す,というわけにはいきません。事実,20年前に一世を風靡した,今となっては時代遅れの製品でも,それでなければ分析ができないというユーザーに何人も出会います。カラムメーカーの隆盛とは無関係に,同じ品質のカラムをいつまでも使い続けたいというカラムユーザーのニーズを,弊社も真摯に受け止めなければならないと,常々考えています。

一企業(事業)30年と上述しましたが,HPLCカラムを最も利用する医薬品業界には,なんと200年以上も生き続けている企業があります。そしてその会社は,今でも若々しく最先端を走り続けています。歴史の深さもさることながら常に前進するその姿勢には,ただ驚嘆するばかりです。
企業は生き物だと思うのですが,その寿命は人と同じようにそれぞれ違うということでしょうか。